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ピルの学校は、ピルと避妊について正しく学び、女性の心と体の健康を守るためのサイトです。

ピルは避妊のためのお薬です

ピルとは

ピルとは妊娠しないために飲むお薬のことで、経口避妊薬とも呼ばれています。
有効成分は合成女性ホルモンです。

望まぬ妊娠から女性を守る

日本では、長い間「ピルは副作用が強い」「取扱いが難しい」という偏見があり、敬遠される傾向がありましたが、実際は飲み方は全く難しくありませんし、望まぬ妊娠から女性を守る、非常に役に立つ薬です。
望まぬ妊娠の方が、どんなに女性の体と心を傷付けるかは、いまさら説明するまでもありません。
ピルについての正しい知識を学び、より安全で、自分らしい人生を選択していきましょう。

ピルの種類

ピルは大きく分けると「低用量ピル」と「モーニングアフターピル」の二種類があります。
女性ホルモンは、毎日少しずつ摂ると、体が妊娠中と同じホルモンバランスになって排卵が起こらなくなり、妊娠しなくなります。これが低用量ピルの避妊の仕組みです。
逆に一度にたくさん摂ると、無理矢理生理を起こして、妊娠を邪魔することが出来ます。これがモーニングアフターピルの避妊の仕組みです。

簡単に言うと、毎日少しずつ女性ホルモンを飲んで妊娠しない体にしておくことが低用量ピルの目的であり、一方モーニングアフターピルは、しまった!という事態が起こってしまったときに、緊急で妊娠を阻止することが目的です。
このように、一口に避妊と言っても、避妊の仕組みも、必要な状況も異なってくるため、適切なピルを選んで使用することが大事です。

また、低用量ピルモーニングアフターピルも飲み方に決まりがあります。
効果を出すためには、正しい方法で服用しなくてはなりません。

低用量ピル

低用量ピルとは

低用量ピルは、21日~24日掛けて、ごく少量の卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(ブロゲストーゲン)を飲み続け、4日~7日の休薬期間を経て、また同じように飲むことを繰り返すことで、体内の女性ホルモンのバランスを妊娠中と同じにし、妊娠を防ぐ薬です。女性ホルモンのバランスが妊娠中と同じになると、排卵が起こらなくなるため、妊娠しなくなるという仕組みです。

高い避妊効果があり、飲み忘れなどがなければ、確実に妊娠を防ぐことが出来ます。
※女性ホルモン剤を飲む期間と休薬期間は、薬の種類によって異なります。

モーニングアフターピル

モーニングアフターピルとは

モーニングアフターピルは、別名「緊急避妊薬」が表す通り、コンドームなどによる避妊に失敗した際に、緊急に飲んで妊娠を防ぐ薬です。低用量ピルに比べて多めの女性ホルモンを服用することで、無理矢理子宮内膜を剥がし、強制的に生理を起こすことで受精卵の着床を防ぐことにより、妊娠を防ぎます。

強めのホルモン剤であるため低用量ピルに比べて副作用がきつく、また女性の体に与える影響も大きいため、毎月や、毎性交後に飲むなどの常用は不可です。

とは言え、中絶手術に比べたら、体に掛かる負担は比べ物にならないくらい軽いことは言うまでもありません。妊娠してから後悔するよりは、モーニングアフターピルによる早めの対応がいいということを、是非覚えておいて下さい。

避妊成功率は低用量ピルに比べて低く、また、避妊失敗からどれだけ早く飲むかで効果に大きな違いが出ます。

ピルの入手方法

病院で出してもらう

ピルの病院処方

低用量ピルモーニングアフターピルも、日本では「処方箋薬」という扱いです。そのため、ドラッグストアなどで買うことは出来ず、病院で医師に処方箋を書いて貰って購入することになります。
主に取り扱いのある病院は、婦人科・産婦人科になります。

ほとんどのピルは保険適用外です。そのため、公立の医療機関では処方されませんので、ご注意下さい。
また残念なことに、婦人科・産婦人科でも、医師の個人的な主義などで、まれに取り扱いがない場合があります。
病院に出掛ける時は、事前にピルの取り扱いがあるか、電話などで確認しておくことをお薦め致します。

病院でピルを処方してもらう場合は、検査が必要な場合があります。
検査の内容は、病院によって異なり、問診だけで済む場合と、体重・血圧・血液検査など、しっかり検査する場合があります。検査内容も、病院に事前確認しておくとよいでしょう。

通販で購入する

ピルの通販

日本では処方箋薬とされているピルですが「自分の分だけ買う」ならば、通販でも手に入れることが出来ます。厚生労働省はこの場合は合法としています。

通販で購入する場合は、「個人輸入業者から、外国のピルを買う」ことになります。そのため、パッケージや説明書などはその国の言葉で書かれていることが多いですが、成分は国内で医師に処方してもらうものと同一です。

通販の利点は、「費用が安い」「通院の手間が省ける」「サイトによってはまとめ買いも可」など、いろいろあります。
買い物の仕方は、普通の通販と全く変わりません。安心して買うことが出来ます。

ピルの飲み方

低用量ピルの飲み方

1シート28日分を、1日1錠のペースで飲むことになります。1錠辺りのホルモン含有量は、薬の種類によって違います。
21日分、もしくは24日分が有効成分=女性ホルモン入りの錠剤です。残り7日分、もしくは4日分が「偽薬(プラセボ)」といって、女性ホルモンが含まれない錠剤になります。

偽薬(プラセボ)を飲んでいる期間が「休薬期間」と呼ばれています。休薬期間後に次のシートを飲み始めるのを忘れたり、タイミングを間違えたりする心配がない場合は、偽薬(プラセボ)のついてないシートを選ぶことも出来ます。

決められた順番に、毎日必ず1錠飲めば、低用量ピルによる避妊効果は確実です。

モーニングアフターピルの飲み方

コンドームが破れるなど、避妊失敗した瞬間から72時間以内に服用します。服用回数は、薬の種類によって1回~2回の違いがあります。以前は1回目の服用から12時間後にもう1錠飲むヤッペ法がほとんどでしたが、現在は1回の服用で済むノルレボ法が世界的に主流になっています。

受精卵が子宮に着床するのに掛かる時間が大体72時間と言われており、その前までに子宮内膜を剥がしてしまって着床の邪魔をしなくてはならないため、モーニングアフターピル服用のタイムリミットは危険な性行為の後72時間以内となっています。
また、服用は早ければ早い程よいとされ、避妊失敗直後の服用ならば避妊成功率95%以上なのに対し、72時間後だと58%まで落ちてしまいます。早めの服用が望まれます。

「子宮内膜を無理やり剥がす」ということを考えれば、モーニングアフターピルという薬の強さ、そして常に使っていい薬ではないことはご想像出来ることと思います。失敗したら飲めばいいやというような安易な利用は絶対不可です。あくまで緊急用と理解して下さい。

避妊薬ピルの歴史

ピル開発のきっかけ

「ピル」という単語はそもそもは「丸い錠剤、丸薬」という意味ですが、「the pill(あの薬)」という隠語が生まれ、「経口避妊薬」のことを指すようになりました。ピル=経口避妊薬とは、一口で言うと「卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(ブロゲストーゲン)という女性ホルモンを服用することによって、体を妊娠中に近い状態にすることで妊娠を防ぐ薬」です。
望まぬ妊娠から女性を守るこの便利な薬は、一人の情熱的な女性の産児制限運動から生まれました。

マーガレット・サンガー

マーガレット・サンガー(1879~1966)は、アメリカの産児制限(受胎調節)運動の指導者です。ニューヨーク州コーニングの貧しい家庭で生まれ育ちました。実母は18回の妊娠、11回の出産ののち、結核と癌を患って亡くなりました。

1912年以降、マンハッタン東部の貧民街で働き始めたマーガレットは、貧しい女性が、中絶や多産で健康を害したり、若くして亡くなる様子を沢山目撃しました。そしてそのような女性を救うのは、的確な避妊方法を広め、妊娠と出産をコントロールすることだと確信、産児制限運動に身を投じることになります。

ピルの誕生

グレゴリー・ピンカス博士

1951年、マーガレットはグレゴリー・ピンカス博士と出会います。そこで博士に「女性自身が行い、しかも確実な避妊方法はないだろうか」と相談します。マーガレットの言葉をずっと考え続けていたピンカス博士は、「妊娠中は排卵が起こらない」という事実を思い出します。そしてそれが、妊娠中は体内の黄体ホルモン(プロゲステロン)が増加しているせいであることに気付きます。同じ頃、ピンカス博士の親友ロック博士は、子宮発育不全による不妊症患者の治療のために、黄体ホルモン(プロゲステロン)と卵胞ホルモン(エストロゲン)を投与していました。投薬期間中にはつわりに似た症状と排卵抑制が観察されていました。

この経緯が、黄体ホルモン(プロゲステロン)を摂取することによって避妊効果を得る、最初のピル誕生のきっかけになったのです。

ピルには黄体ホルモン(プロゲステロン)のみのミニピルと、黄体ホルモン(プロゲステロン)と卵胞ホルモン(エストロゲン)を含む混合ホルモン剤とがあるのですが、このような経緯から、最初に開発されたのは、黄体ホルモン(プロゲステロン)のみのミニピルでした。
(※のちにより効果の高い混合ホルモン剤が誕生。現在「ピル」として一番ポピュラーな「低用量ピル」は、混合ホルモン剤で、卵胞ホルモン(エストロゲン)含有量が低いものを指します。)

1955年、東京で開催された第五回国際家族計画会議において、ピンカス博士から経口避妊薬の発表がありました。それはプエルトリコにおける黄体ホルモン(プロゲステロン)剤の臨床実験において、確実な避妊効果が得られたという内容で、大きな反響を呼びました。

それから日本でもピルの研究開発が行われます。1957年にはノアルテン錠が、1960年にはエナビット錠が認可されました。が、それは経口避妊薬ではなく、月経異常などの治療薬としての認可でした。

日本は「ピル後進国」

日本では、ピルの経口避妊薬としての承認は1999年。臨床実験に9年もの期間を費やし、アメリカに遅れること何と25年。ちなみに国連加盟国では最遅の承認でした。その原因は、ピルに対する根強い偏見と、性的に保守的すぎる風土にあるようです。

副作用が強いイメージ

先ずは、副作用が非常に恐れられたということ。初期のピルは高用量・中用量ピルが主だったため、つわりに似た吐き気などの「マイナートラブル」の症状が強く、血栓症など更に危険な副作用も見受けられました。それらを解消するため、卵胞ホルモン(エストロゲン)量を少なくする研究が続けられ、低用量ピルが生まれた訳ですが、かなり安全になってからも、副作用に対する恐れと誤解はなかなか解消されませんでした。

性的に保守的な日本の風土の問題

また、非常にバカバカしい話としては「ピルが広まれば女性の性道徳が乱れ、コンドームが使われなくなり、エイズが蔓延する」ということも懸念されたようです。言うまでもないことですが、ピルの普及とエイズの蔓延には、関連性が確認されていません。

女性のQOL向上のために

女性主体で、女性の健康を守る

女性主体で女性の健康を守る

マーガレット・サンガーが「女性主体の避妊法の普及」をライフワークとした理由は、貧民街で望まぬ妊娠のために心身共に傷付く女性達を見たことに加えて、自身の母親も健康を害しながら18回もの妊娠と11回の出産の後、貧しい生活の中で亡くなったこともあったようです。マーガレットは当時の社会の、女性の健康や出産に対する無理解に怒り、女性の人生のために、産児制限は絶対必要との信念を持っていました。

現在においても、望まぬ妊娠は、女性の健康と人生設計両方に、大きな影響を及ぼします。男性に任せ切りの避妊では不十分で、女性主体で、女性の体と健康を守っていくことは大切なことです。

ピルについての正しい知識を

ピル(経口避妊薬)について、正しい情報を集め、学び、生活に取り入れることは、女性のQOL(クオリティ・オブ・ライフ/生活の質)向上のために必ず役立ちます。無闇にこわがらず、逆に十分な勉強無しで安易に頼ることもなく、生活に賢く取り入れていくことで、自身の体と人生をよりよいものにしていきましょう。

適切なピルを選ぶために

ピルには様々な種類があり、体質や用途によって使い分けることが出来ます。
「避妊」ひとつとっても「毎日少しずつ飲んで確実に妊娠を防ぐ」場合や「コンドームなどによるいつもの避妊に失敗してしまった!緊急でどうにかしたい!」など、様々な状況があることでしょう。
ピルの種類を学ぶことは、適した薬を選ぶ助けになります。

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