中用量ピルとは

このページでは、中用量ピルについて解説していきます。
「毎日飲む避妊薬」としては、低用量ピルがスタンダードになりつつある現代ですが、飲み忘れによる効き目の消失の心配が少ないなど、メリットもあるため、まだまだ世界で使用されています。また、2錠ずつ2回に分けて飲むと、緊急避妊にも使えるし、生理の5日目に服用開始して次回の生理開始日をずらすような方法もあります。

中用量ピルとは

ピルの「用量」とは、含まれている卵胞ホルモン=エストロゲンの量のことを言っています。
中用量ピルに含まれるエストロゲン量は0.05mgです。
この数値を基準とし、これより多いものが「高用量ピル」、少ないものが「低用量ピル」と呼ばれています。

中用量ピルの効果

現在、中用量ピルは主に以下のような使い方をされています。

避妊薬として

避妊のために飲むときは、ニ通りの使い方があります。
低用量ピルのように使う場合は、1日1錠、21日で1シート飲んでいきます。飲み始めは低用量ピルとはちがって、生理の5日目からになります。
低用量ピルのように使う場合は、エストロゲン量が低用量ピルよりも多いため、飲み忘れによって効き目がなくなる心配が、低用量ピルよりも少ないのが利点です。しかしその代わり、吐き気などの副作用は強めと言われています。

モーニングアフターピルのように使うときは、プラバノールの場合だと、まず危険な性交から72時間以内に最初の2錠を飲みます。その12時間後に、次の2錠を飲みます。これは「ヤッペ法」と呼ばれている緊急避妊法です。
現在、緊急避妊には「ノルレボ」という、非常に有用な薬が開発されたため、フラバノールのような中用量ピルが、緊急避妊に使われる機会は少なくなってきました。
ただ、ノルレボは病院で1回処方してもらうには15000円前後の費用が必要と、高価なため、昔ながらの緊急避妊も完全にはなくなっていません。

生理日をずらす

中用量ピルの、現在の一番有名な使い方は「生理日をずらす」ために飲む方法です。
旅行の際や大事なデートのときなどに生理がきてしまい、楽しくない経験をしたことのある女性は多いです。
スケジュール予定にあわせて中用量ピルを使用することで、快適な日常生活を過ごせるようになります。
この場合、病気ではないので保険は効きません。
また、ずらしたい日の最低1~2ヶ月前に飲まないと、望む効果は得られないため、予定日の直前ではなく、計画的に服用するようにして下さい。

閉経後の骨粗しょう症の予防として

卵胞ホルモン=エストロゲンは骨の形成にも関わりがあります。女性は閉経後にエストロゲンが減ることによって、骨粗しょう症になりやすくなることが判明しています。
そのため、骨粗しょう症の治療として、エストロゲン補充療法が行われることがあり、中用量ピルは主に閉経後の骨粗しょう症治療薬として使われています。

生理不順や月経トラブル

もうひとつは、女性ホルモンを整えるための治療です。具体的には、生理トラブルの改善や、不妊治療にも使われています。
避妊にも不妊にも使われるというと、不思議に思う方もいらっしゃることと思いますが、どちらも体内の女性ホルモンの状態を整えることで、目的の状態に持っていくことが可能ということで、おかしなことではありません。不妊治療で使われる場合は、子宮内膜の維持や、受精卵の着床を助ける役割をします。

中用量ピルの飲み方

低用量ピルのように1日1錠

低用量ピルの飲み方と一緒で、1シートを1日1錠ずつ飲みます。
飲み始めがちがっていて「生理の5日め」からスタートします。次のシートは「次の生理の5日め」からです。
低用量ピルと同じように21日飲んで7日休んで、というふうに「休薬期間」を設けるパターンでもまちがいではありませんが、その場合は生理に当たる「消退出血」が長く続いてしまう可能性があります。
含まれている有効成分=女性ホルモンの量が、低用量ピルよりずっと多いため、飲み忘れによる避妊効果への影響に関しては、中用量ピルの方が心配が少ないと言われています。

緊急避妊薬として

プラバノールの場合は、コンドームなどによる避妊に失敗した性交から72時間以内に2錠、その12時間後に更に2錠飲みます。これは「ヤッペ法」と呼ばれる緊急避妊法です。
ただ、緊急避妊に関しては、ヤッペ法よりも効果が高く、かつ1回の服用で済む「ノルレボ錠」によるノルレボ法が、現在世界的主流になっています。ただ、こちらはヤッペ法の約3倍程度と費用が高めのため、ヤッペ法も完全になくなってはいません。

中用量ピルの副作用

中用量ピルの副作用とは「女性ホルモンを摂取することによって起こる副作用」です。大きく分けて以下の3種類の副作用がある場合があります。

マイナートラブル

マイナートラブルとは、ピルの服用によって起こるつわりに似た症状のことです。ピルは女性ホルモンを摂取することによって体を妊娠中と同じホルモンバランスにします。そのため、つわりに似た症状が起こるのです。

吐き気、嘔吐、不正出血、生理時の出血量の変化、乳房の張り、血圧上昇、下痢、便秘、眠気、神経過敏、熱感、腰痛、肩こりなどが具体的な症状です。
これらは中用量ピルに体が慣れてくると、自然に治まります。
大抵2シート目を飲んでいる辺りで治まってきますが、長く続くようなら薬が体に合わないのかもしれません。医師に相談して、処方薬を変えてもらうことを検討してみて下さい。

大人にきびと体重増加

中用量ピルは「体を妊娠時のホルモンバランスにする薬」であるため、妊娠中と同様、食欲が増す場合があります。
そのため「中用量ピルは太る」と感じる方もいるようです。しかし体質による差があるため、全く食欲増進しない人もいます。
同じように、大人にきびが気になる人と全く気にならない人がいます。
中用量ピルの服用を始めてから、どうしても気になるようなら医師に相談してみましょう。

血栓症

ピルを使う上で最も重篤な副作用は血栓症です。
血栓症とは、簡単に言うと、血管の中に血の塊が出来てしまって、それによって血の流れが詰まってしまう病気のことです。最も恐ろしいパターンは、脚で出来た血栓が、血流に乗って流れていき、脳や肺の付近で血の流れを止めてしまい、最悪の場合は死に至ります。
何故ピルを飲むと血栓症になることがあるのか。それは、体が妊娠中の状態になるためです。妊娠は出産を控えている状態です。出産で沢山出血するため、妊娠中は血が固まり易くなるのです。

血栓症は、初期の段階で気付いて対処することが重要です。以下のような症状が出たら、直ちにピルの服用を中止し、急いで病院で相談して下さい。
特に、いままでそんなことなかったのに、ピルを飲むようになってから脚がつるときは要注意です!

目のかすみ、めまい、激しい頭痛、脚がつりやすい・痛い(主にふくらはぎ)・痺れ・脱力・麻痺、舌がもつれて喋りにくい、鋭い胸の痛み、息切れ

血栓症は、生活態度などを整えることで防ぐことが出来ます。
血流を悪くする喫煙を止め、積極的に水分を摂り、オフィスなどでもずっと同じ姿勢でいることを避けて、こまめに体を動かしてみましょう。
血栓症の予防についてはこちらのページで詳しく解説しています。
血栓症を防ぐ生活態度は、そのまま美活につながるため、積極的に取り入れていって下さいね。

中用量ピルの値段

病院処方の場合

中用量ピルが病院で処方されるときの値段は、2通りあります。
ひとつはプラバノールなど「ヤッペ法」に使用される薬で、こちらは3,000円~5,000円です。
もうひとつ、緊急避妊のスタンダード「ノルレボ錠」は、ヤッペ法の薬の3倍もし、15,000円位が相場です。
ノルレボ錠の方が後発で、効果が高く、服用も1回でいいと便利なため、このように高くなっています。

通販の場合

通販ではノルレボ錠のジェネリック薬が、ビックリする程お手頃な値段で売られています。
ノルレボと成分が全く一緒で、効き目も同じアイピルは、通販でなら1,800円程度で買うことが出来ます。
通販の難点は、届くまでに時間が掛かるということです。緊急避妊のために薬が必要な場合、何かが起こってから注文したのでは、時間切れになってしまいます。
通販は病院とちがって「何も起こっていないうちから買い置きが可能」なのが便利なところです。心と体の安全と安心のため、前もって買っておいて常備薬とすることを強くお勧め致します。

中用量ピルの病院処方

中用量ピルを処方してくれる病院は、婦人科・産婦人科になります。出掛ける前に、家から楽に通える病院で、処方があるかどうか調べましょう。
避妊のために、続けて飲む場合は、通いやすい病院でないと億劫になってしまいます。

病院処方の場合は、薬をもらう前に簡単な検査がある場合があります。血圧測定や、内診があることも。実は検査の内容は、特に法律などで決められていないため、病院毎に自由に行っているというのが現状です。

そして値段も、病院毎に開きがあります。検査内容が多くて細かい場合は、検査料が掛かってしまいます。そして避妊目的の場合は保険が効かず、自由診療の扱いになってしまうので、値段に差が出てしまうのです。

病院で処方してもらうことの利点は、何といっても専門家である医師の意見を十分聞けるということです。飲む前の注意点はもちろん、飲み始めてから分からないことや不安なことが出てきても、すぐに医師に相談し、指示を仰ぐことが出来ます。
優れた医師は、ピル処方以外の婦人科の悩みも相談出来るパーソナルドクターにもなってもらえます。よい医師に出会うには、実際に会って比べてみて下さい。